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のLNG船以外の応用に関する検討結果の代表的なものを紹介する。
さて、開発・建造を終えた技術を更に発展させるため基本的な応用技術に関して具体的な設計を試みた。それらは後述する北海用等のFPSOと沿岸用の浮体または着底タンクの設計である。

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図2 SPB技術の応用分野

Fig-2. Applications of SPB Technology

2. SPB方式の特徴
SPB方式の構造概要は図3に示す。また、その特徴は次の通りである。
−タンクが船体内に格納され上甲板上は広いスペースがとれる。
−タンクが任意の形状・大きさ・強度にできるので全体形状等を設計条件に合わせて最適とできる。
−タンクが船体構造と同様の骨格と板から成立っており、動揺及び内外の荷重・圧力に強く安全性が高い。
−タンクが板骨構造で内部に隔壁を配置でき、中間液位でタンクが動揺する際のスロッシング(タンク内液動)を防止できるので、積付液位の制限が無い。
−高性能の断熱層と断熱性のある支持により、ボイルオフガスの発生率(BOR)が小さい。
−風圧面積が小さく、重心が低く、更にタンクが左右に仕切れるため、船体安定性が良く、又耐航性に優れている。従って重心を下げる為に二重底内にバラスト張水をする等の必要はない。
−船体構造・タンク間に空間があり、ここから船殼及びタンク、また保冷や支持を容易に保守・点検できる。
−この空間があるため、タンクを収納した2個の船倉の間に挟まれた船体の横隔壁の温度低下が起らずヒーティングの必要がない。
−IMOタイプBタンクとしての安全性要求を満足する疲労、仮定亀裂伝播を含む高度の構造・強度解析、品質検査による安全性の確認ができる。そのため最も厳しい状況を仮定した場合の最大の漏洩を特定できる。(leak before falure)
3. 洋上浮体式LNG液化・貯蔵・積出し設備2(LNGFPSO)
FPS0:Floating Production,Storage & Offloading unit
3−1. 一般
図4にLNGFPSOによるLNG生産、輸送の全体フローを示す。
洋上での沖合ガス田からのLNG生産は当浮体式LNG FPSOが有利であろうと考えられる。すなわち本FPSOによれば、従来沖合ガス田のLNG生産において必要であった沖合ガス田から陸上へ産出ガスを送る為の長距離海底パイプライン、陸上での液化プラント建設工事、生産されたLNGをLNG船へ積出すための桟橋

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図3 SPB構造概要

Fig-3. SPB Out line

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図4 LNG FPSOによるLNG生産、輸送の全体フロー図

Fig-4. LNG production and off loading flow

 

 

 

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